脂肪税とは?Byデンマーク

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    こんにちは、税理士の中東(なかひがし)です。

    えッ!? 太ってると税金が掛かるの!? と思ったら・・・。

    今日もちょっと変わった税のお話デス。
      


    ■バターなどに「脂肪税」

    前回にこのコラムで、ハンガリーで新たに導入された塩分や糖分が高い食品に課税する、いわゆる「ポテトチップス税=ポテチ税」というのをご紹介しました。

    このポテチ税は、税収としては毎年7,400万ユーロ(約81億円)と少ないのですが、「国民の肥満防止」という目的もあり導入されました。

    この度、デンマークにて、ポテチ税と同様に国民の健康を願っての増税が実施されました。

    日経新聞2011.10.3
     
    デンマーク、バターなどに「脂肪税」 健康増進狙う


    デンマーク政府は国民の平均寿命を延ばすため、バターなどの動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸を一定以上含む食品に対する課税を1日から開始した。
    英メディアなどが2日までに伝えた。
    英BBC放送は、脂肪への課税は世界で初とみられると伝えた。

    飽和脂肪酸を多く摂取すると、動脈硬化などを引き起こす悪玉コレステロールが増加するとされている。
    課税によって肥満の原因となる食品の消費を減らすことで、国民の健康を守る狙いがある。

    英メディアなどによると、2.3%以上の飽和脂肪を含むバター、チーズ、加工食品などが課税対象で、飽和脂肪1キロあたり16クローネ(約220円)の税金がかかる。

    課税によって、約22億クローネ(約300億円)の税収が見込まれており、バターの消費量は約15%減少するとみられている。
     
     

    ■目的は、国民の平均寿命を延ばすため

    デンマークも加盟する経済協力開発機構(OECD)の平均寿命は78歳だそうで、一方、デンマークではそれをここ数年下回っています。

    (注)OECDの加盟国は現在34ケ国で、ヨーロッパの国々やアメリカ、日本、韓国等が加盟しています。

    デンマークのヤコブ・ニールセン保健・予防相は、世界初とされる「脂肪税」の導入について、「砂糖、脂肪、たばこに高い課税をすることは平均寿命を延ばすため、重要な施策の一つだ」と述べています。

    そしてこの先10年のデンマークの平均寿命を3歳延ばすことが目標値だそうです。


    ■どれくらい増税?

    まず増税の対象となるのは、新聞記事にあるように「2.3%以上の飽和脂肪を含むバター、チーズ、加工食品」ですが、他にも、「牛乳、ピザ、肉、ビスケット」なども対象となるようです。

    また、飽和脂肪1キロあたり16クローネ(約220円)の増税ということですが、具体的には、ハンバーガーで1個約10円、バターは約25円の値上がりとなっているようです。

    また、デンマーク当局の試算では、1家庭(両親と子供2人)当たり年間1,000クローネ(13,600円)の増税になると推定されています。

    ここ日本でも、たばこ税の増税がささやかれていますが、こういった動きは先進国共通のようですね。
    posted by: 中東 久美子 | 【コラム】税務会計 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

    ポテチ税とは?

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    こんにちは、税理士の中東(なかひがし)です。

    今日はちょっと楽しい?面白い?税のお話し・・・。
      


    ■肥満防止で「ポテトチップス税」?

    インターネットを閲覧していたら、こんなニュースを見つけました。

    共同通信 2011.9.2
     
    肥満防止で「ポテトチップス税」 ハンガリー、糖分高い食品に課税

    ハンガリー政府は1日、国民の肥満防止を目的に、スナック菓子や清涼飲料水など塩分や糖分が特に高い食品に課税する通称「ポテトチップス税」を導入した。

    ハンガリーは財政再建を進めており、政府は税の導入で、毎年7,400万ユーロ(約81億円)の税収を見込んでいるという。

    欧米メディアによると、包装された市販のケーキやビスケットなども対象で、1キロ当たりの課税額はポテトチップスが200フォリント(約80円)、包装されたケーキ類は100フォリント。

    ハンガリーの政治家はフランスメディアに「不健康な食品を取るべきではないというメッセージを消費者に送りたい」と説明している。

    一方、地元経済団体は税導入で国内の複数の工場が閉鎖され、多数の従業員が解雇される可能性があるとしている。
     
     

    ■塩分や糖分が特に高い食品が課税対象

    日本でも最近、国民の健康を守るという観点も踏まえて、たばこ税の増税が一部報道されましたが、流石に肥満防止にポテチ税導入検討などの話は、聞いたことがないですね。

    報道によると、正確には、ポテトチップスに限らず、「スナック菓子や清涼飲料水など塩分や糖分が特に高い食品」が課税対象のようです。

    また、どれくらい課税されるのかというと、「1キロ当たりの課税額はポテトチップスが200フォリント(約80円)、包装されたケーキ類は100フォリント(約40円)、清涼飲料水は1リットル当たり4フォリント(約2円)とのことですから、標準サイズのポテチで、値段が約1〜2割上がるようです。

    税収アップ額は約81億円とのことですから、日本とは財政規模の違いはありますが、かなり小さめの税収規模といえます。

    また他の報道では、「闇ルートで、ポテチが出回ると懸念する声もある」とのことです。


    ■財政再建は、先進国共通の課題

    ハンガリーのように、財政再建を急がないといけない国が、実は先進国で急増しています。

    財政再建は、何も日本だけの問題ではないのです。

    新聞報道で一躍有名になったのはギリシャですが、それ以外にも、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアなども財政危機です。

    これらの頭文字をとって「PIIGS」といい、豚(PIG)にかけた造語も産まれています。

    また、アメリカも8月には国債がデフォルト=債務不履行になるかもしれないというニュースが大々的に流れました。

    アメリカやヨーロッパの一部からは、「富裕層課税」導入の動きも出始めています。

    こういった世界的な動きの中で、同じ財政危機を抱える日本が、今後の財政再建の道筋を早くに示すことができれば、そのこと自体が日本再浮上のきっかけになるかもしれません。

    もちろんそのためには、消費税を中心とした増税や、医療や年金等の財政支出削減が必須の条件となりますが。

    またその時には、今やパンドラの箱と化している「(選挙権を確実に行使する)年配でお金のある方への課税強化又は給付抑制」という観点(世代間格差の是正)は特に重要です。

    今日産まれて来た可愛いベイビーが、何故金持ち年寄りの負債を肩代わりしてあげないといけないのか、これはおかしいと思います。

    posted by: 中東 久美子 | 【コラム】税務会計 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

    『社会保障と税の一体改革』はすべての人に影響大−5

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    こんにちは、税理士の中東(なかひがし)です。



    前回からの続きです。


    ■資産課税(贈与税の税率構造見直し)

    相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造について、次の見直しを行う。

    1.20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に係る贈与税の税率構造
      200万円以下の金額 10%
      300万円以下の金額 15%
      400万円以下の金額 20%
      600万円以下の金額 30%
    1,000万円以下の金額 40%
    1,000万円超の金額  50%
       ↓
      200万円以下の金額 10%
      400万円以下の金額 15%
      600万円以下の金額 20%
    1,000万円以下の金額 30%
    1,500万円以下の金額 40%
    3,000万円以下の金額 45%
    4,500万円以下の金額 50%
    4,500万円超の金額  55%

    2.上記以外の贈与財産に係る贈与税の税率構造
      200万円以下の金額 10%
      300万円以下の金額 15%
      400万円以下の金額 20%
      600万円以下の金額 30%
    1,000万円以下の金額 40%
    1,000万円超の金額  50%
       ↓
      200万円以下の金額 10%
      300万円以下の金額 15%
      400万円以下の金額 20%
      600万円以下の金額 30%
    1,000万円以下の金額 40%
    1,500万円以下の金額 45%
    3,000万円以下の金額 50%
    3,000万円超の金額  55%

    (注)上記の改正は、平成27年1月1日以後の贈与により取得する財産に係る贈与税について適用する。


    ■資産課税(相続時精算課税制度の要件緩和)

    相続時精算課税制度の適用要件について、次の見直しを行う。

    1.受贈者の範囲に、20歳以上である孫(現行:推定相続人のみ)を追加する。

    2.贈与者の年齢要件を60歳以上(現行:65歳以上)に引き下げる。

    (注)上記の改正は、平成27年1月1日以後の贈与により取得する財産に係る贈与税について適用する。


    ■マイナンバー法

    社会保障・税番号制度の導入に伴う税制上の対応については、平成24年通常国会への提出が予定されているマイナンバー法の整備法において、次に掲げる所要の措置を講ずる。

    1.申告書・法定調書等の税務関係書類の記載事項に、その提出者(納税者・法定調書提出者等)及び一定の者(控除対象となる配偶者等、法定調書の対象となる支払を受ける者等)に係る「番号」(個人番号又は法人番号をいう。以下同じ。)を追加する。

    2.法定調書の対象となる金銭の支払を受ける者等が告知すべき事項に「番号」を追加する。

    3.告知を受けた者が本人確認すべき事項に「番号」を追加するとともに、本人確認書類の範囲に「番号カード」及び「番号の記載のある住民票の写し」等を追加する。

    4.その他所要の規定の整備を行う。

    (注1)上記の改正は、原則として、マイナンバー法における「番号」の利用開始日以後の課税期間等に係る申告書、同日以後に提出すべき申請書等並びに同日以後の支払等に係る法定調書及び告知・本人確認について適用する。ただし、所要の経過措置を講ずる。


    以上かなり長くなりましたが、どの方にも大変影響が大きいであろう「社会保障・税一体改革素案」についてお伝えしました。


    社会保障・税一体改革素案

    posted by: 中東 久美子 | 【コラム】税務会計 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

    『社会保障と税の一体改革』はすべての人に影響大−4

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    こんにちは、税理士の中東(なかひがし)です。



    前回からの続きです。


    ■個人所得課税

    現行の所得税の税率構造に加えて、課税所得5,000万円超について45%の税率を設ける。

    (注)上記の改正は、平成27年分の所得税から適用する。


    ■資産課税(相続税の課税ベース拡大等)

    相続税については、基礎控除の縮小、死亡保険金に係る非課税限度額の縮小、税率構造の引き上げが予定されています。

    1.相続税の基礎控除
    定額控除:5,000万円→3,000万円
    法定相続人比例控除:1,000万円×法定相続人数→600万円×法定相続人数

    2.死亡保険金に係る非課税限度
    500万円×法定相続人数

    500万円×法定相続人(未成年者、障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限る)数

    3.相続税の税率構造
    1,000万円以下の金額 10%
    3,000万円以下の金額 15%
    5,000万円以下の金額 20%
    1億円以下の金額   30%
    3億円以下の金額   40%
    3億円の超の金額   50%
       ↓
    1,000万円以下の金額 10%
    3,000万円以下の金額 15%
    5,000万円以下の金額 20%
    1億円以下の金額   30%
    2億円以下の金額   40%
    3億円以下の金額   45%
    6億円以下の金額   50%
    6億円超の金額    55%

    (注)上記の改正は、平成27年1月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用する。


    ■資産課税(未成年者控除及び障害者控除の引き上げ)

    未成年者控除及び障害者控除を次のとおり引き上げる。

    1.未成年者控除
    20歳までの1年につき6万円→20歳までの1年につき10万円

    2.障害者控除
    85歳までの1年につき6万円→85歳までの1年につき10万円
    (特別障害者については12万円)→(特別障害者については20万円)

    (注)上記の改正は、平成27年1月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用する。


    次回に続きます。
    posted by: 中東 久美子 | 【コラム】税務会計 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

    『社会保障と税の一体改革』はすべての人に影響大−3

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    こんにちは、税理士の中東(なかひがし)です。



    前回からの続きです。


    ■消費税を平成26年4月から8%、27年10月から10%

    ちょっと長々と「税制抜本改革の基本的方向性」等についてお伝えしましたが、では具体的にどのようは税制改正を予定しているかを次から見ていきましょう。

    まずは消費税率の引き上げについてです。

    1.税収の使途
    消費税の収入については、別に法律で定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。

    (注1)上記の改正は、平成26年4月1日から適用する。

    (注2)消費税収(国分)の使途については、予算等において明確化することとし、その具体的な方法については引き続き検討を行う。

    2.税率の引上げ
    消費税の税率を次のとおり引き上げる。
    (イ)平成26年 4月1日6.3%(地方消費税と合せて8%)
    (ロ)平成27年10月1日7.8%(地方消費税と合せて10%)

    (注1)上記の改正は、平成26年4月1日((ロ)については平成27年10月1日)以後に行われる資産の譲渡等及び保税地域から引き取られる外国貨物について適用する。なお、工事の請負等について所要の経過措置を設ける。

    (注2)法律成立後、引上げにあたっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応できるよう、消費税率引上げ実施前に「経済状況の好転」について、名目・実質成長率、物価動向など、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案した上で、引上げの停止を含め所要の措置を講ずるものとする旨の規定を設ける。


    ■消費税の課税の適正化

    消費税については、税率の引き上げ以外にも、下記の消費税の課税の適正化措置を予定しています。

    1.事業者免税点制度
    (イ)資本金1,000万円未満の新設法人に関する免税点制度について、5億円超の課税売上高を有する事業者が直接又は間接に支配する法人(親族、関連会社等を含めた資本の持分比率が50%超の会社)を設立した場合については、その設立された法人の設立当初2年間については、課税事業者とするなど現行の資本金1,000万円以上の新設法人に対する措置と同様の措置を講じる。

    (ロ)(イ)に該当することとなった場合の届出書の提出などについて所要の措置を講じる。

    (注)上記の改正は、平成26年4月1日以後に設立される法人について適用する。

    2.簡易課税制度
    簡易課税制度のみなし仕入率については、今般、同制度に関する実態調査を行ったところ、業種によっては、みなし仕入率の水準が実際の仕入率を大幅に上回っている状況にあることが確認された。今後、更なる実態調査を行い、その結果も踏まえた上で、みなし仕入率の水準について必要な見直しを行うものとする。

    3.中間申告制度
    (イ)中間申告義務のない直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含む)が60万円以下の事業者のうち、自主的に中間申告を行う意思を有する事業者について、任意の中間申告(年1回・半期)を可能とする制度を導入する。

    (注)上記の改正は、平成26年4月1日以後に開始する課税期間に係るものについて適用する。

    (ロ)消費税の中間申告(年1回、3回又は11回)に係る確定消費税額の最低額については、消費税額と地方消費税額を合わせた額を現行の最低額と同一とすることを基本として調整する。


    次回に続きます。






    posted by: 中東 久美子 | 【コラム】税務会計 | 09:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

    『社会保障と税の一体改革』はすべての人に影響大−2

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    こんにちは、税理士の中東(なかひがし)です。



    前回からの続きです。


    ■社会保障改革の6つの方向性


    そして、以上を前提として、以下の6つの方向性に沿って各分野の改革を進めていくとしています。

    1.未来への投資(子ども・子育て支援)の強化
    子ども・子育て新システムを創設し、子どもを産み、育てやすい社会を目指す。

    2.医療・介護サービス保障の強化、社会保険制度のセーフティネット機能の強化
    高度急性期への医療資源集中投入など入院医療強化、地域包括ケアシステムの構築等を図る。
    どこに住んでいても、その人にとって適切な医療・介護サービスが受けられる社会を目指す。

    3.貧困・格差対策の強化(重層的セーフティネットの構築)
    すべての人の自立した生活の実現に向け、就労や生活の支援を行うとともに、低所得の年金受給者への加算など、低所得者へきめ細やかに配慮を行い、すべての国民が参加できる社会を目指す。

    4.多様な働き方を支える社会保障制度(年金・医療)へ
    短時間労働者への社会保険適用拡大や、被用者年金の一元化などにより、出産・子育てを含めた多様な生き方や働き方に公平な社会保障制度を構築する。

    5.全員参加型社会、ディーセント・ワークの実現
    若者をはじめとした雇用対策の強化や、非正規労働者の雇用の安定・処遇の改善などを図る。
    誰もが働き、安定した生活を営むことができる環境を整備する。

    6.社会保障制度の安定財源確保
    消費税の使い道を、現役世代の医療や子育てにも拡大するとともに、基礎年金国庫負担2分の1の安定財源を確保し、あらゆる世代が広く公平に社会保障の負担を分かち合う。

    これら詳しくは以下をご覧ください。
    http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/seihu_yotou/kourou.pdf


    ■税制抜本改革の基本的方向性

    社会保障改革と一体的に実施する今回の税制抜本改革の最大の柱を、「社会保障財源を確保するための消費税率の引上げ」としています。

    その理由として、
     


    消費税は高い財源調達力を有している


    消費税は税収が経済の動向や人口構成の変化に左右されにくく安定している


    消費税は勤労世代など特定の者へ負担が集中せず、経済活動に与える歪みが小さいという特徴を持っている
     
    として、更に、「社会保険料など勤労世代の負担が既に年々高まりつつある中で、こうした特徴を持ち、幅広い国民が負担する消費税は、高齢化社会における社会保障の安定財源としてふさわしいと考えられる」としています。

    しかし今回の税制抜本改革は、消費税増税にとどまらず、「人口減少と少子化・高齢化の同時進行」、「格差の拡大」、「家族や働き方の多様化」、「グローバル化の進展」、「エネルギー制約・環境問題といった世界的規模の課題」、「長期的なデフレ・低成長の中での新たな成長戦略の必要性」といった我が国の経済・社会構造と内外の環境の変化に対応し、新たな日本にふさわしい税制全体の姿を実現することを目指す、としています。

    具体的には、消費税とともに車の両輪を成す所得税については、「特に高い所得階層に一定の負担増を求めることにより、その累進性を高める」としています。

    また、資産課税については、「相続税の基礎控除等の見直しを行い、税制全体としての再分配機能の回復を図る」としています。

    さらには、税制に対する国民の信頼を確保するために、「社会保障・税番号制度の導入も展望しつつ、「公平・透明・納得」の三原則を基本とし、できるだけ税制を公平かつ簡素で分かりやすいものとする取組を進める」としています。

    次回に続きます。
    posted by: 中東 久美子 | 【コラム】税務会計 | 09:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

    『社会保障と税の一体改革』はすべての人に影響大−1

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    こんにちは、税理士の中東(なかひがし)です。

    今日は『社会保障と税の一体改革』についてお話します。



    ■平成24年度税制改正より重要

    例年同様、昨年末に「平成24年度税制改正大綱」が閣議決定されました。
    内容は小粒なものが多く、平成23年度税制改正大綱で未実現だった改正項目をそのまま横滑りしたものも含まれていました。

    昨年の平成23年度税制改正大綱が、「相続税の増税」や「法人税率の引下げ」、「納税者権利憲章の策定」など、かなり思い切った改正項目がずらりと並んだことと比較すると、大きな違和感があります。

    しかしそれには、「実は・・・」な話があるのです。


    ■実は・・・

    実は、この平成24年度税制改正大綱を小粒ならしめたのは、その先に別の税制「大」改正が控えているからなのです。

    それは、「社会保障・税一体改革素案」というものです。
    http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/pdf/240106houkoku.pdf

    これは、既に平成24年1月6日に政府・与党社会保障改革本部において決定され、閣議報告もされています。

    こちらでは、消費税や相続税の増税が記載されています。

    ということで、今回は、平成24年度税制改正大綱ではなく、この「社会保障・税一体改革素案」に基づいてお送ります。

    (注)とはいえこの素案については、これから野党と協議を行っていきますので、今後の国会審議動向等により内容が変更されることがあります。また、当然のことではありますが、今回の内容はまだ何も正式決定しておりません。あくまで案の段階ですのでご留意下さい。


    ■2部構成となっています

    この社会保障・税一体改革素案は、第1部「社会保障改革」、第2部「税制抜本改革」となっています。

    このコラムでは、第2部の税制抜本改革を主要テーマとしているのですが、第1部の社会保障改革はどの立場の人も影響する重要な事柄かと思いますので、少し触れておきます。

    社会保障改革で目指すべき社会として、
     


    制度が出産・子育てを含めた生き方や働き方に中立的で選択できる社会


    雇用などを通じて参加が保障され、誰もが居場所のある共生の社会


    「分厚い中間層」が支える大きな格差のない社会


    子どもが家族や社会と関わり良質な環境の中でしっかりと育つ社会


    支援を必要とする人の立場に立った包括的な支援体制の構築により、地域で尊厳を持って生きられるような医療・介護の体制が実現した社会
     
    の5つを掲げています。

    次回に続きます。

    posted by: 中東 久美子 | 【コラム】税務会計 | 09:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

    H23年度税制改正決定−3

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     似顔絵

    こんにちは、税理士の中東(なかひがし)です。
      


    前回からの続きです。


    ■更正の期間の延長

    申告書を提出した後で、所得金額や税額などを実際より多く申告していたことに気付いたときには、「更正の請求」という手続により訂正を求めることができます。

    平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について、更正の請求ができる期間が法定申告期限から原則として5年(改正前1年)に延長されました。

    また、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について、増額更正をすることができる期間が、改正前は3年のものについて5年に延長されました。

    但し、偽り・不正の行為により税額を免れるなど脱税の場合に税務署長が行う増額更正の期間は現行のとおり7年です。

    では、平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来するものはどうなるのでしょうか。

    実はこれにも若干手当がされていて、「更正の請求の期限を過ぎた課税期間について、増額更正ができる期間内に「更正の申出書」の提出があれば、調査によりその内容の検討をして、納めすぎの税金があると認められた場合には、減額の更正を行うことになる(申出のとおりに更正されない場合であっても、不服申立てをすることはできません)」とのことです。

    更正の申出書

    今後は、増額も減額も修正できるのは5年となります。


    ■更正の請求範囲の拡大

    更正の請求範囲の拡大としては2つあり、「当初申告要件の廃止」と「控除額の制限の見直し」です。

    (1)当初申告要件の廃止

    当初申告の際、申告書に適用金額を記載した場合に限り適用が可能とされていた措置(「当初申告要件がある措置」)のうち、一定の措置については、更正の請求により事後的に適用を受けることができることとされました。

    【所得税関係】


    給与所得者の特定支出の控除の特例


    保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の所得計算の特例


    純損失の繰越控除


    雑損失の繰越控除


    変動所得及び臨時所得の平均課税


    外国税額控除


    資産に係る控除対象外消費税額等の必要経費算入


    平成23年12月2日の属する年分以後の所得税から適用されます。
     
    【法人税関係】


    受取配当等の益金不算入


    外国子会社から受ける配当等の益金不算入


    国等に対する寄附金、指定寄附金及び特定公益増進法人に対する寄附金の損金算入


    会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入


    協同組合等の事業分量配当等の損金算入


    所得税額控除


    外国税額控除


    平成23年12月2日以後に確定申告書等の提出期限が到来する法人税から適用されます。
     
    【相続税・贈与税関係】


    配偶者に対する相続税額の軽減


    贈与税の配偶者控除


    相続税における特定贈与財産の控除


    平成23年12月2日以後に申告書の提出期限が到来する相続税又は贈与税から適用されます。
     
    この改正は、納税者にとっては救済措置となりますが、ここに載っていないもの(例えば、続税の小規模宅地等の特例など)については、従来通りに当初申告が必要となりますので注意が必要です。

    (2)控除額の制限の見直し

    控除等の金額が当初申告の際の申告書に記載された金額に限定される「控除額の制限がある措置」について、更正の請求により、適正に計算された正当額まで当初申告時の控除等の金額を増額することができることとされました。

    【所得税関係】


    外国税額控除


    試験研究を行った場合の所得税額の特別控除


    試験研究を行った場合の所得税額の特別控除の特例


    エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の所得税額の特別控除


    中小企業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除


    雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除


    所得税の額から控除される特別控除額の特例


    青色申告特別控除(65万円)


    電子証明書を有する個人の電子情報処理組織による申告に係る所得税額の特別控除


    平成23年12月2日の属する年分以後の所得税から適用されます。

    【法人税関係】


    受取配当等の益金不算入


    外国子会社から受ける配当等の益金不算入


    国等に対する寄附金、指定寄附金及び特定公益増進法人に対する寄附金の損金算入


    所得税額控除


    外国税額控除


    試験研究を行った場合の法人税額の特別控除


    試験研究を行った場合の法人税額の特別控除の特例


    エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の法人税額の特別控除


    中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除


    法人税の額から控除される特別控除額の特例


    雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除


    平成23年12月2日以後に確定申告書等の提出期限が到来する法人税から適用されます。
     
    (注)今回の内容は平成23年度税制改正大綱をベースに書いていますので、取扱いについては税の専門家にご相談ください。

    posted by: 中東 久美子 | 【コラム】税務会計 | 09:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

    H23年度税制改正決定−2

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     似顔絵


    こんにちは、税理士の中東(なかひがし)です。



    前回からの続きです。


    ■減価償却資産の償却率の見直し

    減価償却資産の定率法の償却率について、定額法の償却率(1/耐用年数)を2.0倍(現行:2.5倍)した数とします。

    先ほどの法人税率の改正は最終的に実効税率が下がりますので減税改正ですが、この減価償却資産の償却率の見直しは、償却額が当初減ることになりますので増税改正となります。

    ちなみに、現行の2.5倍とする定率法の償却率については、平成19年度税制改正により実施されたものであり、税制が右へ左へと振れていますので、経理実務が混乱しないか心配です。


    ■欠損金の繰越控除制度の見直し

    (1)青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越控除制度における控除限度額について、次に掲げる法人(以下「中小法人等」)を除き、その繰越控除をする事業年度のその繰越控除前の所得の金額の100分の80相当額とします。

    ・普通法人のうち、資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの(資本金の額が5億円以上の法人による完全支配関係がある法人等を除く)又は資本若しくは出資を有しないもの(相互会社を除く)

    ・公益法人等又は協同組合等

    ・人格のない社団等

    この改正は、平成24年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用します。

    (2)青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越期間を9年(現行7年)に延長することとします。

    また、その欠損金が生じた事業年度の帳簿書類の保存を適用要件とします。

    この改正は、平成20年4月1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金額について適用します。

    ということで、中小法人等であれば、欠損金の制限を受けることなく、単に繰越期間の延長となりますので、減税改正といえます。


    ■貸倒引当金制度の見直し

    貸倒引当金制度について、適用法人を次の法人に限定します。

    (1)中小法人等

    (2)銀行、保険会社その他これらに準ずる法人

    また、適用除外法人については激変緩和措置として、平成24年4月1日から平成25年3月31日までの間に開始する事業年度については現行の規定による繰入限度額の4分の3、同年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度については現行の規定による繰入限度額の4分の2、同年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度については現行の規定による繰入限度額の4分の1までの繰入れができる等の経過措置を講じます。

    この見直しも、中小法人等であれば影響がありません。

    (注)今回の内容は平成23年度税制改正大綱をベースに書いていますので、取扱いについては税の専門家にご相談ください。

    次回に続きます。
    posted by: 中東 久美子 | 【コラム】税務会計 | 09:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

    H23年度税制改正決定−1

    19
    似顔絵

    こんにちは、税理士の中東(なかひがし)です。

    今日は、税制改正についてお話しします。



    ■平成24年ではなく、平成23年度税制改正

    例年なら年末になると、来年の税制改正(平成24年度税制改正)の行方の議論が新聞紙上をにぎわします。

    しかし平成23年の年末はだいぶ様相が異なりました。
    平成24年の税制改正議論と合わせて、平成23年度税制改正の議論も大きく取り上げられていたのです。

    平成22年末に政府が決めた「平成23年度税制改正大綱」が、平成23年の1月25日に、「平成23年度税制改正の当初法案(所得税法等の一部を改正する法律案)」として国会に提出されましたが、反対多数で未承認となりました。

    そしてその後、与野党協議等を経て、6月10日の分離修正で2法案に分割され,そのうちの1つ「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」が6月30日に公布施行となりました。

    さらに残った「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」が、10月28日の内閣修正と11月24日の衆議院の修正議決を経て11月30日に可決成立し、12月2日に公布施行となりました。

    今回はこの平成23年税制改正の積み残しともいえる、12月2日より公布施行された「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」について解説します。

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    第179回国会における財務省関連法律

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    ■法人税率の引下げなど

    当初の平成23年税制改正の目玉項目であった「所得税法や相続税法の改正」は今回は見送られました。

    また、国税通則法のうち、納税者権利憲章や新たな税務調査手続の追加に関する部分等も法案から削除されました。

    今回、最終的に決まった税制改正項目は主に以下となります。

    ・法人税率の引下げ(但し別途、復興増税有り)

    ・減価償却資産の償却率の見直し

    ・欠損金の繰越控除制度の見直し

    ・貸倒引当金制度の見直し

    ・更正の期間の延長

    ・更正の請求範囲の拡大


    ■法人税率の引下げ(但し別途、復興増税有り)

    各事業年度の所得に対する税率について、普通法人の税率を25.5%(現行30%)とし、中小法人(一般社団法人及び一般財団法人並びに公益社団法人及び公益財団法人を含む)又は人格のない社団等の軽減税率を19%(現行22%)とし、公益法人等又は協同組合等の税率を19%(現行22%)とします。

    この改正は、平成24年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用されます。

    ただし、中小企業者等の法人税率の特例について、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度の所得の金額のうち年800万円以下の金額に対する法人税率を15%(現行18%)に引き下げることとします。

    法人税等は実効税率ベースで約5%引き下がるのですが、別途、復興特別法人税が課されることが既に決まっています。

    復興特別法人税とは、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度(課税事業年度)について、各課税事業年度の課税標準法人税額に10%の税率を乗じて計算した金額を課税するものです。

    ということで、だいぶややこしいですが、一般的な中小企業(普通法人)であると、平成24年4月1日以後開始する事業年度から、

    課税所得800万円以下の部分・・・現行18%(→15%)→新16.5%
    課税所得800万円超の部分・・・・現行30%(→25.5%)→新28.05%

    国税と地方税を合わせた実効税率・・・現行40.69%(→35.64%)→新38.01%
    (東京都の場合)

    となります。

    (注)今回の内容は平成23年度税制改正大綱をベースに書いていますので、取扱いについては税の専門家にご相談ください。

    次回に続きます。
    posted by: 中東 久美子 | 【コラム】税務会計 | 09:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |